これまで、二胡の外形の新しいデザインにしても、蛇皮の処理技術にしても、一つの方向から改革の成果を上げているものは少なくない。例えば呂偉康の扁平八角二胡、高韶青の韶琴、人造皮革の二胡等があるが、これらの改革、改良が絶えず二胡を発展させ、前進させてきた。しかし、どれも演奏家や愛好家、あるいは製作者といった内輪の人間によるもので、それ以外の世界から新しい設計や改良をしてみようと思う人はほとんどいなかった。
今回紹介する許恵晴さんは実践大学工業デザイン系の学生である。彼女は、台湾大学に合格していたにもかかわらず、現在の大学で工業デザインを学ぶ道を選択したという。幼い頃より父親が経営する鉄工所を遊び場に育ったので、いつの間にか自分の手で物を作るのが好きになった。チェロを習っていたこともあって、チェロ製作を志したが、偶然、二胡製作師の李十三氏に出会い、二胡を学び始め、自分でも設計してみようと考えた。
以下、筆者が取材した許恵晴さんの言葉をまとめてご紹介しよう。(取材:呉俊徳)
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