今回は3,4月号掲載に合わせ、いかにも“春”を感じさせる曲を取り上げることにしました。と言っても、一回だけでは最後までたどり着けそうになく、後編は5,6月号に持ち越して些か季節はずれになりますが、何卒ご寛恕下さい。
「春詩」は、日本二胡学会の検定では6級の課題曲の一つになっていることもあり、楽譜を目にしたり、練習する機会も多いと思います。しかし、揚琴伴奏に「この音でいいの?」といった疑問点があり、楽譜通りの伴奏を付けても効果が今ひとつな気がします。このアナリーゼは揚琴伴奏の付いたオリジナルの楽譜に基づいて進めますので、揚琴パートの疑問点についても少し触れたいと思います。
今回、分析に使う楽譜は、揚琴伴奏が付いた版で、『華楽大典・二胡巻』/中国民族管弦楽学会編/上海音楽出版社/2010年1月 所載の五線譜を主に、『中国二胡曲典第四巻』/趙寒陽主編/藍天出版社/20014年5月 の数字譜も補助的に参照しています。