2015年1月28日より2月7日まで、東京、大阪、名古屋において、瞳みのるプロデュースによる演劇「仲麻呂と楊貴妃」の公演全8回が行われた。瞳は、一斉を風靡したグループサウンズ、ザ・タイガースでピーと呼ばれていた人物で、グループ解散後、慶応大学及び大学院に学び、北京大学に留学、慶応高校で漢文・中国語の教師となった。2011年、芸能界に復帰してからは、中国文学や近代音楽に独自の視点をもって、音楽、詩作、執筆、公演に力を注ぎ、日中の架け橋として活動している。
今回の「仲麻呂と楊貴妃」の脚本は、瞳の手に成る。彼は吉備真備役で出演。自分の北京留学時に月を見て感じた気持ちを、阿倍仲麻呂の和歌「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」に表される望郷の思いに重ねてテーマにしたように思われる。
記者は1月29日に見たのだが、客席は満席、開演前と終演後のロビーにも人が溢れ、もちろん他の役者さんたちのファンも多かったが、瞳の根強い人気が感じられた。
出演者の中には、外国人で初めて中国の京劇団に入団した石山雄太、長く京劇を学び、今は本誌31号のグラフィックアイに登場していただいた布袋劇のチャンチンホイ、20年近く北京で昆劇の勉強をした伊藤治菜といった、中国の伝統劇に丈けた人材も。
会期・会場:東京 2015年1月28日(水)〜2月1日(日) 俳優座劇場
大阪 2015年2月5日(木) ドーンセンター
名古屋 2015年2月7日(土) 西文化小劇場
出演:瞳みのる、石山雄太、チャンチンホイ、伊藤治菜、蓉崇、江頭一晃、高橋亜矢、紗織、
風間杜夫(声の出演)
主催:株式会社オフィス二十二世紀
(続きは本誌をご覧下さい)
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