『二胡之友』創刊以来、休まずに掲載してきた本稿は、今回で第42回となります。改めて振り返ってみると、リストの通り、取り上げた曲は全17曲で、その内、劉天華の作品は7曲となっています。劉の二胡作品全10曲の内7曲ですから、かなり高い比率です。これはある意味当然で、前号の特集にあったように、劉天華の作品が日本の指導の現場で重視され、また、作品内容が分析するに足るものであることを示していると言えるでしょう。もちろん、選曲に筆者の好みが反映しているのは言うまでもありません。
では、劉の作品でまだ取り上げていない曲は何かと見てみると、「月夜」「苦悶之謳」「悲歌」の3曲でした。中で「月夜」は、学習者も多く、今ここで取り上げなければ手落ちになると思い、取り上げることにしました。
なお、『月夜』の楽譜は前号(2016年1,2月号)に掲載した原典版の数字譜、五線譜をご参照ください。また、日本出版の楽譜では、賈鵬芳主編の『二胡を極めよう第6集中級3』(日本二胡学会認定曲集/ヤマハミュージックメディア発行/数字譜)や、『二胡検定標準曲集[上級編]』(日本二胡振興会認定「全国二胡検定」制度準拠/ドレミ楽譜出版社発行/数字譜)などにも掲載されています。そちらもご覧になれば、指使い、弓使いなどの違いが分かり、より一層興味が深まると思います。
(詳細は本誌をご覧下さい)