毎月第三日曜日、14時から蕨市の「庵洞　香巴拉」において開いている「香巴拉（シャンバラ）音楽鑑賞会」の内容のご報告です。

◎第36回　12月20日「壮(チワン)族の歌手、唐彩妹の歌声」
　チワン族の女性歌手唐彩妹は、広西チワン族自治区南寧市馬山県の出身です。チワン族は中国の少数民族としては、最多の1854万人(2010年現在)で、ほとんどが中国西南部の広西チワン族自治区に住んでいます。チワン錦や独特の大きな被り物などあでやかな民族衣装でも知られています。音楽文化としては対歌があり、古代から伝わる楽器として銅鼓があるなど、日本古代の歌垣や古墳時代の銅鐸などにも通じるものを感じます。チワン族の歌垣の世界を描いた音楽映画として『劉三姐』がありました。1960年公開ですから、文化大革命前の作品です。『劉三姐』のお話の起源は、遠く唐の時代にまでさかのぼり、チワン族の社会では誰でも知っている話と言われています。映画の舞台は漓江に沿ったカルスト地形で知られる桂林の美しい風景を背景に繰り広げられます。セリフは全て中国語、歌垣といっても社会主義建設の熱気に満ちていた時代の作品ですから、内容は階級闘争が中心、異性を相手という歌垣のシーンもありますが、どちらかというと封建知識人をやり込める歌合戦が印象に残っています。
　鑑賞したDVDは、2009年11月に自治区の首都南寧市で行われた公演記録です。北京の中央民族歌舞団で活躍する唐彩妹にとって、初めての故郷での公演です。この資料の付録DVD、中国中央テレビの音楽番組『音楽告訴?（音楽があなたに語る）』の説明によると、唐彩妹は故郷での公演に当たって、第一に祖国を歌いたい、第二に故郷への恩返しをしたかった、と述べています。チワン族独自の歌としては三人の女声による無伴奏の「生活美如霞」と対歌「劉三姐和阿牛」、新作の「壮錦謡」くらいで、後は中国全土で人気のある歌がほとんどです。そこには唐彩妹の歌唱能力の高さが見られる一面、故郷に錦を飾りたいという、彼女自身の強い意気込みが感じられます。観衆の中には南寧市の地元の指導者や名士の顔もあり、北京の音楽指導者の顔も見えます。舞台上には、北京から応援にかけつけた楽団員や歌手の仲間もいます。『音楽告訴?』によると、歌手を目指した唐彩妹に大きな影響を与えていた父親が、公演の21日前に亡くなっています。悲しみを乗り越えて、熱唱する唐彩妹、応援する仲間たちの頬に流れる涙には、やはり感動させられます。
（庵洞　香巴拉　安藤）

☆「香巴拉（シャンバラ）音楽鑑賞会」今後の予定（毎回14時〜）
　2016年３月は、都合によりお休みします。
　第38回　2016年４月17日（日）「二泉映月（バレー劇）」
　第39回　2016年５月15日（日）「ウイグル十二ムカーム　�W　チャハールガー」
　問合せ先：「庵洞　香巴拉」��.048-442-3543　e-mail：untiku-sai@warabi.ne.jp

弦歌二胡教室第３回成果発表コンサート

二胡とピアノが織り成す華やかな音色をお楽しみください。

◎日時：2016年５月28日（土）13:00開演　12:30開場
◎会場：海老名市文化会館小ホール（小田急線/相鉄線/JR線・海老名駅より徒歩５分）
◎料金：入場無料（申し込み不要）
◎予定曲目：月夜、紅楼夢、牧羊女、亡き王女のためのパヴァーヌ、シルクロード、長城随想ほか中国曲から日本、西洋の曲まで全約20曲
※講師による演奏もあり
◎お問い合わせ：TEL：070-5453-3378（平日17:00-19:00）
　E-mail：satoshi@25-ni.com（原田）
◎主催：弦之歌二胡研究会・弦歌二胡教室（講師：原田学吏）

公演番号：243　中国の自然〜二胡とヴァイオリンが奏でる幻想ロマン
　また皆様にも演奏に加わって頂ける「江南絲竹愛好家交流会」も開催いたしますのでご興味のある方は是非ご参加ください。

◎日時：2016年５月４日(水）13:30〜14:15
◎会場：東京国際フォーラム　ホールC
◎予定曲目：「梁山伯と祝英台〜バタフライ・ラヴァーズ〜」（ヴァイオリン・二胡のための協奏曲版）、「鳥の歌」
◎出演：姜建華[ジャン・ジェンホワ]（二胡）、オリヴィエ・シャルリエ（ヴァイオリン）、シンフォニア・ヴァルソヴィア、廖國敏[リオ・クォクマン]（指揮）
◎料金：2,900円（指定席）
◎チケット一般販売：３月19日（土）10:00から（※東京国際フォーラム地上広場ボックスオフィスは３月20日（日）11:00から）
◎チケット取扱い：東京国際フォーラム 地上広場ボックスオフィス、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット、楽天チケット、カンフェティ※チケット購入について→http://www.lfj.jp/lfj_2016/ticket/
◎入場年齢制限：３歳以上入場可
◎お問合せ：ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭事務局
　　　　　　TEL03-5221-9100(平日10:00〜17:00)

「百花繚乱　中国リアリズムの煌めき」東京展

世界のアートシーンが注目！ 現代中国アートの登竜門といわれる「全国美術展」受賞優秀作品およそ80点が来日！！

◎会場：日中友好会館美術館(文京区後楽1-5-3)
◎会期：[前期]2016年２月25日（木）〜３月14日（月）
　　　　　[後期]３月16日（水）〜４月10日（日）
　　　　　※会期中に一部展示替えあり。
◎開館時間：10:00〜17:00　休館日：火曜日
◎観覧料：会期中何度でも入場可能なパスポート券
　一般400円（団体割引20名以上300円/名）、
　大高生200円、中学生以下無料
◎主催：(公財)日中友好会館、中国美術家協会、毎日新聞社
◎助成：(公財)三菱UFJ信託地域文化財団
◎後援：外務省、文化庁、中華人民共和国駐日本国大使館、(社)日中友好協会、日本国際貿易促会、(一財)日本中国文化交流協会、日中友好議員連盟、(一財)日中経済協会、(一社)日中協会