シリーズ・コンサートを振り返って
【寄稿】 中華二胡学院講師 張亜紀子
昨年、腰が重い私には珍しいことでシリーズコンサートを開催させて頂いた。大げさなのだが、あまりにも早い世の中の変動に不気味さを感じ、今自分たちができることは精一杯やるべきとふと感じたことがきっかけである。
「張煥・張亜紀子&中華二胡学院 3.11復興支援二胡チャリティーコンサート」は7月、9月〜11月と4回連続開催。東日本大震災復興のための支援金として来場者のチケット代を寄付するという形式をとり、何よりも出演者と聴衆が、被災地の方々の状況をいつも気にかけ寄り添う気持ちを忘れないことを大切にしたいと思った。
4回シリーズは毎回テーマを変えて内容を構成し、二胡演奏家の張煥と私、二人に学ぶ中華二胡学院の生徒が各回に分かれて出演。
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昨年9月に長春市で開催された標記コンサートについて、日本から同行した門下生によるレポートをリレー形式でご紹介します。
趙国良(Zhao Guoliang)プロフィール
1941年 中国東北遼寧省に生まれ、歳より胡琴に親しむ。
1959年 中国吉林省民族楽団に入団、21歳でコンサートマスターに就任。
1963年〜 国家の友好訪問団のメンバーとしてアジア、アフリカ各国で演奏。
1977年 「国家第一級芸術家」の称号を受ける。
1986年 日本永住のため来日。九州交響楽団と共演。民主音楽協会主催のコンサートに参加し、日本国内300カ所にて演奏。
2003年 福岡県文化賞、2004年福岡市文化賞を受賞。
2004年 ニューヨークのカーネギーホールにて演奏、大きな反響を呼ぶ。
現在、福岡を拠点として演奏活動を行うとともに、地域での音楽活動や、後進の育成につとめている。
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“銭塘追夢”2015年第11回“長三角”民族楽団展演@杭州
「上海の春 国際音楽節」で知られる上海音楽家協会と浙江省音楽家協会主催による標記イベントが、2015年12月12、13日の2日間、杭州の西湖湖畔に於いて開催されました。ちなみに“長三角”とは、主催地域の名称「長江デルタ」のことです。
“長三角”民族楽団展演は、2004年に第1回が開催されてからすでに11年が過ぎていますが、その第1回は学生オーケストラが主体でした。当初より営利目的ではなく、民族音楽を志す学生たちのレベルアップ及びキャンパス内での民族音楽の発展を目的として開催し、第1回の参加者は、長江、浙江、上海と安徽、江西のなど省市だけに限られていました。それが現在では、中国全国に及び、日本、マレーシア、シンガポールなど国外からのエントリーも目立ちます。参加者数も第1回の800人ほどから現在は3,000人にまで増えています。とくに今年は90名を超える大編成のオーケストラも登場し、おおいに盛り上がりました。
余明(よ・めい/Yu Ming)プロフィール
琵琶、阮、古琴演奏家。指揮者。上海生まれ。1982年北京の中央音楽学院卒業(琵琶専攻)後、中央民族楽団に入団。1991年東京芸術大学大学院音楽学修士課程修了。1984年、ロサンゼルスオリンピック音楽祭に出演。1995年、北京国際民族楽器独奏コンクールにおいて、自身の編曲する『荒城の月』の演奏で優秀演奏賞受賞。1988年CD「古韻新声」(ソニーレコード)、2000年CD「宮沢賢治の世界」を発表。同年10月、上海で行われた「世紀郷情2000」コンサートにおいて音楽監督として制作・演奏に参加、上海市人民政府より「栄誉証書」を受ける。指揮は、上海民族楽団などで活躍した民族音楽指揮の第一人者で重鎮の夏飛雲氏に師事している。
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