弾撥楽器　その２
• 阮（げん）
• 三弦（さんげん）
• 箏（そう）
• 箜篌（くご）

陳明志プロフィール
哲学博士。アジアの民族音楽の研究と現代音楽の創作を専門に行っている。作曲家、音楽会企画者として、長く香港の音楽界で活躍し、その作品は度々受賞し、かつ内外で演奏されている。近年に陳氏が編著者として出版した中国音楽関連の書に『大型民族管弦楽作品賞析』、『大型中楽作品創作シンポジウム』（論文集）等がある。また、自ら企画し、司会も務めたラジオ番組に『中華器楽ーー中華文化』、『世紀中楽名曲選』がある。その他、多元的文化、インタラクティブをテーマに、画家・舞踊・インターネット・映像・照明とのコラボレーション、舞踊音楽といった方面でも創作活動を展開している。 香港中楽団に在って、作曲家・指揮助手（研究・教育）を歴任、香港中楽団研究員、香港演芸学院作曲科及び電子音楽科講師、香港作曲家連合会理事も務めた。現在、上海音楽学院教授、Ensemble Contemporary Players 芸術監督。 　　

　この連載は、二胡演奏家賈鵬芳氏が2005年２月から７月まで、６回にわたって開講した日本人のための二胡講師養成講座を再構成してお届けするものです。
　今回と次回は、2005年に開講した「日本人のための二胡講師養成講座」で、すでに講師をしている受講者から出された初心者を教える時の問題点と、その解決策を紹介します。

賈鵬芳プロフィール

８歳から二胡を始め、1978年中央民族楽団に入団、10年間ソリストを務めた後、88年来日。以後、二胡らしさを保ちつつ多ジャンルの音楽を吸収消化して、独自の風格を築き上げるとともに、日本における二胡の普及、世界で認められる二胡音楽の形成に多大な貢献をした。日本各地に分校のある「天華二胡学院」を主宰。多忙な中、自らも教えている。近年、北京・上海で開催したリサイタルは大好評を博し、中国の人々にも賈鵬芳の二胡の新しい世界が認められることとなった。12年、中国で出版されたアルバム「一抹天香」を日中同時発売。この春からBS11の音楽番組の司会を担当。東京芸術大学修士課程修了。日本二胡学会副会長。
　 　　　

日本で活躍中の中国出身の音楽家の方々に、３ヶ月毎にバトンタッチするリレー方式でエッセイ執筆をお願いしているこのページ。ウェイウェイ・ウーさん、コンリンさんに続く第三走者は九州を中心に活躍中の劉福君さんです。

劉 福君　りゅう・ふくくん　プロフィール

1963年 中国吉林省遼源市に生まれる。
1985年 吉林芸術学院で二胡を専攻。卒業後、吉林省民族楽団に二胡演奏家として入団。
1993年 熊本大学教育学部音楽科に留学。
1995年の「阪神大震災　被災者救済チャリティーコンサート」をはじめとして1998年「中国洪水災害」、2008年「中国四川大地震チャリティーコンサート」など、積極的にチャリティーコンサートに取り組んでいる。
2008年日本の名曲を二胡向けに編曲したCD『桜花』を中国で出版。
2009年　日本人向けの『中国二胡考級曲集』を王永徳氏と編集、出版。
2009年　9月東京の文京シビックホールでリサイタルを開く。
2011年　9月福島県いわき市の仮設住宅、デパートで復興支援演奏。
そのほか演奏活動と並行して九州各地（熊本、福岡、佐賀、大分、鹿児島、宮崎、長崎）で二胡教室を開催し、後進の指導育成に取り組んでいる。
　 　　　

　劉天華の「病中吟」については、９月号と10月号の２回で一応終わりにしたつもりだったのですが、その後もまだ気になる事があり、今回も補遺として書き足すことにしました。もう少々、「病中吟」にお付き合い下さい。

• 劉天華の作品の調弦について
• 「病中吟」から「燭影揺紅」へ
• 楽譜を読む前に

　　　

今回の二胡人は、活躍中の二胡演奏家、作曲家・劉光宇をとりあげます。日本ではまだ知名度はあまり高くありませんが、独特のスタイルで二胡界に新風を吹き込む新世代の"風雲児"です。彼のこれまでの道のりや音楽観はどのようなものか、以下、ご紹介します。
（取材／呉 俊徳）

劉 劉光宇 (1963-)プロフィール

国家一級演奏員、中国音楽家協会二胡学会副会長、中国民族管弦楽学会常務理事。重慶市学術・技術研究リーダー。重慶振興争光貢献奨、重慶直轄10年建設功労者を受賞。これまでに重慶大学、重慶師範大学、重慶医科大学、重慶行政学院、ロシア・ボロネジ国立芸術学院で客員教授を務め、現在、重慶市歌劇院院長、重慶交響楽団団長を務める。
音楽分野の受賞歴は、文化部"蒲公英（たんぽぽ）"音楽創作金奨、中国音楽"金鐘奨"第二位、中国音協全国二胡新作評選第二位、国家舞台芸術精品ノミネート等。北京、上海、重慶、台湾、ロシア、イタリー、エジプト、フィリッピン等で百回近く、リサイタルやレクチャー・コンサートを開催。コンサート・ツアーで訪れた国、地域は40余にのぼる。国家主席等に随行しての海外訪問も多い。　
創作方面では、協奏曲に「第一二胡協奏曲」「遷徒」「流」、独奏曲に「アリ」「黄楊扁担」等がある。その作品の一部は音楽専門高校、全国小学校や中国音協編全国二胡考級の教材として採用されている。中国国内、海外でCDアルバムをリリース。著作論文は中国の重要な刊行物上で発表され、中央テレビ局制作の「東方之子」をはじめ、三十余のメディアが特集番組を制作。1984年以来、閔惠芬等著名な二胡演奏家から指導を受ける。
　

　2012年８月号の「二胡人」のコーナーでご紹介した笹本二郎氏は、阿炳に関する研究、資料収集はもとより、「阿炳・二胡」をキーワードに、長きにわたって日本と中国の橋渡しを実践されてきた、民間文化交流大使とも言える方です。その笹本二郎氏に、二胡や阿炳との出会いから、阿炳の故郷である無錫市との交流のエピソードなどを自由に語っていただき、「聞き書き」の形にまとめてご紹介します。

• 小澤征爾と「二泉映月」
• 無錫での閔恵芬との出会い
• 阿炳の歴史的な録音に参加したお二人

　先月号では上海を代表する滬劇をご紹介しました。上海は開港以来多くの人々がビジネスチャンスを求め移住してきました。特に浙江省の多くの人々が流入してきたことは有名で、現在の上海語はそういった地域の方言もまじって変化したものと聞きます。先祖より代々上海に住んでいる地元出身の人は「本地人」といい、新上海人と区別する言い方もあります。（続きは本誌をご覧下さい）

　こんにちは。第５回目をむかえました。今回は音程についてお話をします。

第五頁 音程
• 音程
• ニ胡と音程
• 音程で遊んでみよう

木塲 孝志（こば たかし） 作曲家・二胡奏者
甲陽音楽学院で作曲、編曲、DTMを学ぶ。卒業後、作曲家として活動を始める。やがて中国の民族楽器である「二胡」に出会い、その音色に心惹かれ、鳴尾牧子氏、高韶青（George Gao）氏に師事。 現在は作曲家としてTVCM、ラジオ番組のジングル、企業または店舗のイメージソング、アーティストへの楽曲提供などを行うと同時に、二胡演奏家としてライブやイベント活動を全国的に展開。ライブ活動は、カフェや酒蔵、コンサートホール、九州へ向かうフェリー船内ライブを行っている。また自らのアルバム制作も含め、その他アーティストやコンピレーションアルバムなどレコーディング活動にも積極的に参加。二胡講師として関西各地の教室などで指導。 2009年11月、鎌倉市市制施行70周年記念事業『鎌倉市愛唱歌』の作曲部門にて入賞。
　 　　　

「Ｎｉｋｏｐｅｄｉａ」は、二胡にまつわる雑学や動向などを随想形式でお届けしています。話はあちこちに飛びますので、気軽に読んでください。今回のテーマは「中高齢者と音楽」です。

• 発表会は、あなたと二胡との対話の場
• そろそろ無理・無茶は慎みましょう
• 二胡の響きは自分の声です