アマチュア（業余）検定である二胡検定が実施されるまでの道のりとして、1950年代に二胡への偏見が減り、さらに50～60年代に国立の民族楽団が相次いで創設されたことで、①専門的な音楽教育を受けた人材が教育・研究だけでなく奏者として活動する裾野が広がり、②音大等を経ずに直接楽団内で経験を積んで演奏活動に従事するという、いわばたたき上げの優れた奏者が輩出し、③楽団曲が二胡ソロ曲や練習曲に編曲されて二胡曲のレパートリーが増えたり、④楽器改良がなされた、ということを前回お伝えしたが、④の話が紙幅の関係で1953年の蒋風之による琴托の開発というところまでで終わってしまった。で、今回はその続きを書く予定だったが、ここでちょっと立ち止まって、時代を遡って二胡改良の流れを整理してみよう。
（詳細は本誌をご覧下さい）

井上幸紀（いのうえ　ゆき）プロフィール
大阪市内で二胡・中国語教室をやっています。左の絵は何かのイラストを参考に描いたもので、パクリにならないよう、ちょっと中華テイスト？を加えたりとかして、教室ポスターやチラシ、アンケートなどに時々使っています。名前はありません。


ブログ：二胡を知る からだを知る こころを知るhttp://www.niko.ms/
ブログ：張韶老師の二胡講座http://nikokouza.hateblo.jp/
Facebook：https://www.facebook.com/erhumao
Twitter：https://twitter.com/erhumao


　　　

　　前回、劉文金が長城を題材とする楽曲を作曲しようと考えたきっかけについて言及した際に、ニューヨークの国連ビルの一室に中国から贈られた大きなタペストリーが掛かっていて、それを見て感動したのがきっかけだった、と紹介しましたが、ここで大切なキーワードが抜けているのに後で気がつきました。そう、そのタペストリーは万里の長城を描いた図柄のものだったのです。賢明な読者の皆様は、このキーワードが無くとも、タペストリーはどのようなものだったか想像していただけた、とは思いますが、やはり、きちんと「長城の図柄」と書くべきでした。まことに迂闊で、申し訳ありませんでした。
　さて、その万里の長城ですが、読者の多くの方が行ったことがあるのでは、と思います。斯く申す私は、北京近郊の八達嶺、慕田峪、甘粛省の陽関、嘉峪関には行きましたが、山海関や玉門関にはまだ行ったことがありません。いつの日か行けたらとは、思いますが、坂のきつい所など、若くないと無理かもしれませんね‥。さて、その長城、中国人ではなくとも誰しも、実際に行けば、この「長城随想」に描かれているスケールの大きな情景、風の強さや温度など、そこで体感しなければ得られない感覚、そして歴史に対する感慨などを、共通の感覚、記憶として持つことができると思います。作曲者の劉文金は、「楽曲を通して、単に万里の長城の壮大な外観を描こうとしたのではなく、人々が長城に登って受けるさまざまな感慨を描こうとしたもので、そこから、楽曲に自由な『随想』性を持たせようとした。」と述べ、また、「長城に立つ一人の詩人を想定して書いた。」とも述べています（劉文金「創作メモ」より）。例えば、「序曲」で示される「長城のイメージ音響」は、詩人が長城の頂に立ち、朝靄の中から数条の光が射し、徐々に太陽が昇ってくるのを仰ぎ見ている・・・ご来光の荘厳な情景が連想できます。さて、その詩人はどのような詩を詠じるのでしょうか。この曲を演奏する時は、自身が長城の頂に立っている詩人になったかのようなイメージを描いてみてはいかがでしょう。
　なお、今回も参照する楽譜は『劉文金二胡作品集―創作、演奏訪談与教学指導』（宋飛主編 高等教育出版社刊2013年4月）です。また、『華楽大典・二胡巻 楽曲編中』（上海音楽出版社刊）から劉文金による「創作メモ」も随時参照、引用しています。

• 第一楽章「関山行」の各部分を見る
• 「関山行」まとめ
• 第二楽章「烽火操（ほうかそう）」を俯瞰する

（詳細は本誌をご覧下さい）

・二胡独奏数字譜　・二胡独奏五線譜　・二胡＋ピアノ伴奏譜

（楽譜は本誌をご覧下さい）

YouTubeに2023年夏号掲載の楽譜「ドリーゴのセレナーデ」（二胡独奏）のピアノ伴奏音源をアップしました（限定公開）。
https://youtu.be/xmj7LBt8FwE
よりご覧ください。
＊今号掲載の楽譜関連音源は追ってYouTubeにアップいたします。
アップ情報は随時、『二胡之友』ホームページ　http://www.nikonotomo.com/
編集長X（旧Twitter）　http://twitter.com/henshutyo にてお知らせします。
音源は楽譜製作時のチェック用で、音質、ニュアンス等理想的なものではありませんが、練習の参考にご利用ください。
　

　新鋭二胡演奏家・陳啓謙さんと知り合ったのは、ネット上の二胡に関するチャンネルでのことだった。彼は二胡で広東音楽の「平湖秋月」を弾いていたのだが、私はその本物の広東音楽の味わいに、深く引き込まれた。こんなに若いのに、何と深い味のある広東音楽を弾くのだろう！ 調べると、彼は広東音楽の大御所、余其偉先生の高弟であるとわかった。そして二胡演奏家・黄安源先生の生徒でもあった。中国の音楽学院出身の二胡奏者とは違い、彼の演奏は落ち着いていて細やかであり、独自の曲の解釈と表現が聴き取れるのだ。（取材：呉俊徳）
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指７本！？

（詳細は本誌をご覧下さい）

真真（シンシン）プロフィール
中国民族楽器二胡（erhu）＆vocal
2008年より二胡を東京在住の中国人胡弓演奏家・作曲家・楊興新（やんしんしん）氏に師事。
2012年春、千葉県県立高校（国語科）を退職、その年に単独演奏会。
2013年秋にファーストアルバム「花」を製作し、各地で演奏活動やレッスンを開始。
2017年春、セカンドアルバム「ふるさと」を製作。
2018年2019年、日暮里サニーホールコンサートサロンでリサイタルを開催。
古典曲、ポップス、クラッシック、童謡、民謡など幅広いレパートリーとヴォーカルも好評。作詞作曲も手がける。
2018年、「山口ゆめ花博（全国都市緑化フェア山口）」にて「ゆめ花応援クリエイターズ」公式アーティスト。
2012年より東日本震災被災地慰問演奏を開始し、毎年8月8日の陸前高田市「迎え火」では追悼二胡演奏を行う。

ブログ「二胡奏者真真　のっほほーんパンダフルな時間」
千葉県流山市在住。本名・関　浩恵
山口県宇部市出身。山口県宇部市ふるさと大使。
「真真」の名は、上野恩賜動物園のパンダ「真真（シンシン）」の名前を拝借。
血液型Ａ、おうし座。気分転換は読書とラグビー観戦。
好きな食べ物はお好み焼き、焼き肉、かつ丼！

HP　http://www.shinnshinn.com/
ブログ　http://ameblo.jp/shinnshinn223/
★オンラインレッスン「タクプラ」講師　https://tacpla.com


★真真3rdアルバム『Asian Style ～無為自然』
ご購入は
・ヴェンタインレコードHP CDショップ サイト　http://www.koperniks.com/shinnshinn/
<収録曲>
1「ドルフィンダンス」オリジナル曲
2「一人で進め」（インド楽曲　ekla choro le）
3「森の言葉」～古典舞踏『レゴン・ラッサム』Conong（女官の舞)より　＊ガムラン演奏：櫻田素子＆ベクトル
4「喜送公粮xi song gong liang」（顧武祥、孟津津作曲）　＊タブラ演奏：森上唯
5「空を歩こう」オリジナル曲 ＊打楽器と尺八演奏：辻幸王
録音：弁天アジアン・ポップス楽団（蟠龍寺スタジオ）
デザイン：弁天ハウス（NoNo）
produce : 吉田 哲（ヴェンタインレコード）
　

　みなさん、こんにちは！
　二胡之友とのコラボ企画〜「ウェイウェイ・ウーと一緒に二胡を楽しもう〜！」、今回は３回目になります。初回の「SAKURA/17」、２回目の「上海セレナーデ」、楽しんでいただいていますか？　古き良き上海の雰囲気をJazzyに表現する皆さんの二胡の奏で、とても楽しみにしています！
　さて、第３回目の今回は、人気テレビドラマの「JIN-仁-」の中での名シーンに聴こえてくる、メインタイトル曲「JIN-仁-Main Title」を紹介します。先ずは、実際に劇伴を録音した時のエピソードから！
（詳細は本誌をご覧下さい）
　

　「Ｎｉｋｏｐｅｄｉａ」は、二胡にまつわる雑学や動向などを随想形式でお届けしています。話はあちこちに飛びますので、気軽に読んでください。今回のテーマは「原点回帰」です。

• 「音楽依存症」という病気（やまい）
• 西洋クラシック音楽の原点
• 多種多様な世界の民族音楽
• 二胡音楽の原点は？

（詳細は本誌をご覧下さい）