よく言われる「重陽(旧暦九月九日の節句)のご飯を食べたら、単衣(ひとえ)を着ている人はいなくなる」とは、秋が深まり冷え込むようになって、裏地のない服を着ている人が段々少なくなる、という季節感を表しています。北京の秋は昔と変わらず寒いですが、香山の紅葉、釣魚台のイチョウの並木は人々の心をほっと暖かくしてくれます。そこはかとないわびしさを感じさせる秋ですが、気持ちは変わらず、張り切っていきましょう。まずは11月に聴いたコンサートの中で、11月9日、中山音楽堂で開催された中国愛楽楽団のコンサートを紹介します。(続きは本誌をご覧下さい)
胡 銀岳(こ ぎんがく)
青年作曲家、中央音楽学院作曲科副教授。桐朋学園大学、東京学芸大学を経て、東京芸術大学で博士課程を修了。作曲を蒔田尚昊、間宮芳生、一柳慧、吉崎清富、金田潮児、山内雅弘、野田暉行、松下功各氏に師事。これまでに40数部の創作作品が日本、ヨーロッパ、台湾地区において演奏されている。1998年、国立劇場日本音楽コンクールに入選、2000年度文化庁創作奨励舞台芸術特別賞、第3回国立劇場コンクール優秀作品賞、2002年名古屋文化振興賞を受賞、2004年NHK・毎日新聞主催の日本音楽コンクール交響楽部門に入選、2009年TMSK中国民族室内楽コンクール二位(一位なし)。2007年外国人留学生として初めて東京芸術大学大学院の作曲専攻博士号を取得。