このページでは、二胡に限らず、見て楽しめる中国文化をテーマに、写真とエピソードを掲載していきます。
今号のグラフィックアイでは、中国の舞踊の数々を見ていただきましょう。

中国の舞踊は、古典・民間・民族舞踊に大きく分けられます。古典舞踊は、伝統演劇の中の舞踊の要素を取り出したもの、民間舞踊は、中国各地の風格をもつ主に漢民族の民間の踊り、そして、中国には漢族以外に55の民族が住んでいますが、それらの民族の踊りを民族舞踊と言っています。そのあまたある中国舞踊と「気」の概念を取り入れた鳳仙功舞踊で知られる鳳仙功舞踊研究所が、それぞれの舞踊の特徴を取り入れて発表した作品の中から主なものを選んでご紹介します。
　 　　　

　このページでは、これまでに『二胡之友』の取材を受けて下さった二胡大師の言葉の中から、含蓄のある「名言」をピックアップしてご紹介します。今回は、2011年７月号、８月号に掲載した高韶青（ジョージ・ガオ）大師のインタビューから。 　　　

　　このページでは、読者の皆様のコレクションの中から、中国音楽関連のグッズや工芸品を、コレクターのコメントも添えて紹介していきます。楽しいグッズとそれに寄せるコレクターの思いの丈を、多くの皆さんと共有して“二胡友”の輪を広げてまいりましょう。今回は、横浜中華街にある「悟空茶荘」さんの「お宝」です。 　　　

◎拉弦楽器（擦弦楽器　さつげんがっき）
• 板胡（ばんこ）
• 京胡（きょうこ）
• 墜胡（ついこ）

（擦弦楽器　さつげんがっき）

陳明志プロフィール
哲学博士。アジアの民族音楽の研究と現代音楽の創作を専門に行っている。作曲家、音楽会企画者として、長く香港の音楽界で活躍し、その作品は度々受賞し、かつ内外で演奏されている。近年に陳氏が編著者として出版した中国音楽関連の書に『大型民族管弦楽作品賞析』、『大型中楽作品創作シンポジウム』（論文集）等がある。また、自ら企画し、司会も務めたラジオ番組に『中華器楽ーー中華文化』、『世紀中楽名曲選』がある。その他、多元的文化、インタラクティブをテーマに、画家・舞踊・インターネット・映像・照明とのコラボレーション、舞踊音楽といった方面でも創作活動を展開している。 香港中楽団に在って、作曲家・指揮助手（研究・教育）を歴任、香港中楽団研究員、香港演芸学院作曲科及び電子音楽科講師、香港作曲家連合会理事も務めた。現在、上海音楽学院教授、Ensemble Contemporary Players 芸術監督。 　　

　前号より始まった「二胡演奏の科学」、新進気鋭の二胡奏者田宇さんが「最も美しい音色が出せる身体の動き」を科学的に分析します。今号は、弓の持ち方について「てこの原理」「重力」と関連づけて、説明していただきます。

田宇プロフィール

中国江西省出身。９歳より二胡を学び、周平華、王亮生、劉長福、趙寒陽の諸氏に師事。2006年、中国音楽学院国楽学部に入学し、張尊連准教授門下に入る。大学3年の頃より同学院教授で作曲家、指揮者の黄暁飛氏に作曲を学び、2009年夏、中国音楽家協会主催「成才之路」コンクール作曲部門にて三位入賞。学院卒業後、2010年末に来日、現在、東京学芸大学大学院作曲専攻在学中、山内雅弘氏に師事。中国音楽家協会二胡学会会員、中国音楽文学学会会員、日本二胡振興会会員。
　 　　　

今回から、周維がウイグルの音楽をもとに作曲した「葡萄熟了」を取り上げます。この曲の伴奏は、民族オーケストラ、あるいは民族楽器アンサンブルで行われるのが本来の姿なのかもしれませんが、ピアノや揚琴の伴奏で演奏されることも多く、特に日本ではほとんどが後者と思われます。この状況を考えて、アナリーゼで使う楽譜は、ピアノ伴奏付きの「二胡音楽会曲集（２）／于紅梅編訂／華楽出版社／2005年３月初版」所載の五線譜とし、補助的に揚琴伴奏（陳朝儒揚琴伴奏編曲）の付いた「中国二胡名曲集錦／孫宇�ｴ編著／浙江文芸出版社／2004年４月初版」所載の数字譜を参照する事にしました。

• 楽譜を読む前に
• 全体を俯瞰する
　

　　　

　　二胡をやってる皆さんも、中国楽器のアンサンブルや、二胡のCDの伴奏などで、一度は中国琵琶の音を聞いたことがあるはずです。二胡のコンサートに行って、実際に演奏を見たことがある方も少なくないと思います。今号から５回、中国琵琶の紹介をすることになりました。二胡をひいている皆さんが疑問に思っている（と私が想像している）ことにお答えする、という形で中国琵琶を紹介していきたいと思います。中には、皆さんが疑問に思っていなくても、私が勝手にお伝えしたいと思っている疑問もあるかもしれませんが、よろしくおつきあいください。

北村 よう　プロフィール

1986年、日本語教師として訪れた上海で琵琶に出会う。銀芽アンサンブル、アンサンブル春雨などで琵琶を担当。2009年より「琵琶の集まり」と称する年１回琵琶愛好家が集まる会を開いている。
　

　前回は、音楽学者・楊蔭瀏たちが録音した阿炳の曲の内、琵琶曲３曲についてご紹介しました。今回は二胡曲に進みます。この連載企画は、楊蔭瀏が分析・解説した文章をもとに、小誌編集部の資料も加え、現在の視点からもう一度楊の文章を解釈してみよう、という試みでもあります。楊の文章は『阿炳曲集』初版から解説として掲載されていましたが、その後改訂され、レコード解説や阿炳研究書に頻繁に転載され、阿炳研究の底本になっています。阿炳を語るに、楊蔭瀏の文章の内容は、必須の知識と言えるでしょう。
なお、この「阿炳の生涯」は、「阿炳曲集」所載の「阿炳小伝」（文：楊蔭瀏）の一部を訳出し、その他資料も加えて再構成したものです。

楊 蔭瀏プロフィール

中国音楽学者。江蘇省無錫出身。幼少より、知識人の子女として四書五経等の基礎教育を受け、また教養の一環として道士から簫、笛、笙、二胡を学ぶ。後に、アメリカの宣教師からピアノ、楽理、西洋作曲法等を学ぶ。1910年、華彦鈞（阿炳）より琵琶、三弦を学ぶ。1911年、昆曲の社団、天韻社にて昆曲、琵琶、三弦、古琴等を学ぶ。1923?26年、上海の聖約翰（セイント・ジョン／聖ヨハネ）大学、光華大学（西南財経大学の前身）にて経済学を学ぶ。在学中は同大学国楽組のリーダーを務める。小、中学校で教師を務めた後、1936?37年、北京（当時は燕京）のハーバード燕京学社の研究員を務め、同時に燕京大学音楽系にて中国音楽史を教える。1941?49年、重慶、南京にて教育部音楽教育委員会委員兼国立音楽院教授を任ぜられ、中国音楽史、国楽概論等を教える。1949年より中央音楽学院の研究部研究員。後に、同音楽学院の音楽研究所（後に中国芸術研究院音楽研究所）の副所長を経て同所所長を長く務めた。
中国音楽史を専門とし、音楽実例の収集と楽器の考古学資料を重視した中国初めての研究者であり、伝統音楽の実践と文字資料の深い理解に基づくその研究は、多くの論文、著作の形で残され、現在に至るまで多くの影響を及ぼしている。
また、少年時代より交流のあった華彦鈞（阿炳）が亡くなる３ヶ月前の1950年９月、民間音楽資料収集のため、無錫にて華の演奏する「二泉映月」等６曲の録音を行ったが、それが後に名曲「二泉映月」が世に出るきっかけとなったエピソードは人口に膾炙している。　

７月の北京の暑さは炎熱のようだったり、蒸籠（せいろ）で蒸されているようだったりで、出掛ける気になりません。しかし、文化面では北京音楽庁、国家大劇院等、いずれも盛んに公演が行われ、多くの聴衆を引きつけています。以下、その中からいくつかピックアップして紹介します。（続きは本誌をご覧下さい）

胡　銀岳（こ ぎんがく）
青年作曲家、中央音楽学院作曲科副教授。桐朋学園大学、東京学芸大学を経て、東京芸術大学で博士課程を修了。作曲を蒔田尚昊、間宮芳生、一柳慧、吉崎清富、金田潮児、山内雅弘、野田暉行、松下功各氏に師事。これまでに40数部の創作作品が日本、ヨーロッパ、台湾地区において演奏されている。1998年、国立劇場日本音楽コンクールに入選、2000年度文化庁創作奨励舞台芸術特別賞、第3回国立劇場コンクール優秀作品賞、2002年名古屋文化振興賞を受賞、2004年NHK・毎日新聞主催の日本音楽コンクール交響楽部門に入選、2009年TMSK中国民族室内楽コンクール二位（一位なし）。2007年外国人留学生として初めて東京芸術大学大学院の作曲専攻博士号を取得。
　 　　　

皆さん、夏の体調管理は大丈夫ですか！今月も礼華の上海便りをお送りいたします。現在の上海の気温は37度です、暑い〜です。道路のアスファルトは溶け、歩くだけで靴まで熱くなってしまいます。二胡を持って出かけるのも大変ですが、暑さの為にせっかく調整した二胡の調子が狂ってしまう事が有ります。自分の体調管理も大切ですが二胡を学ぶ私にとって二胡の調弦もとても重要な事です。（続きは本誌をご覧下さい）

佐藤礼華（さとう れいか）
1991年生まれ。日本（父）と中国（母）の血を受け継ぎ、幼少より二胡に親しむ。2007年上海音楽学院附属中学に入学。二胡を汝芸副教授に師事し、現在は同学院民族楽器科本科生（二胡専攻）として研鑽中。2012年「盛世華音」第二回日中韓国際二胡コンクール海外組・青年組で金賞を受賞。
　 　　　

「Ｎｉｋｏｐｅｄｉａ」は、二胡にまつわる雑学や動向などを随想形式でお届けしています。話はあちこちに飛びますので、気軽に読んでください。今回のテーマは「音楽家と障害」です。

音楽家と障害
• ベートーヴェンの障害
• 日本人音楽家と視力障害
• 盲人二胡演奏家・孫文明