このページでは、二胡に限らず、見て楽しめる中国文化をテーマに、写真とエピソードを掲載していきます。
6月21日、横浜みなとみらいホール(大ホール)にて上演された『梧桐雨』は、西洋的な歌劇をベースに、中国の京劇、台湾の歌仔戲(ゴアヒ)、そして舞踊を加えた意欲的な作品です。作曲は、アメリカ在住の台湾人作曲家・陳玫琪(メイ=チー・チェン/May-Tchi Chen)で、彼女は、日本の雅楽、敦煌琵琶譜、歌仔戲、京劇、崑曲唱腔を学び、この作品では西洋オーケストラに中国の琵琶と中国打楽器を取り入れていました。この作品は今までニューヨーク、台北、北京などでも上演されました。
内容は、「玄宗皇帝と楊貴妃の悲しくも美しい愛の物語」ということで日本人も良く知っているストーリーです。
配役はとても素晴らしく、主役の楊貴妃役を秦貴美子、玄宗皇帝役を平良交一がそれぞれ歌い演じていました。歌詞は、中国語をベースにしながらドイツ語、フランス語を織り交ぜてあり、歌手はそれぞれの言語を見事にこなしていました。また李白役を台湾歌仔戯の男役である唐美雲が演じ、さらに唐代の宦官の高力士役を京劇俳優の劉承恩が演じていました。
舞台演出では「プロジェクションマッピング」という映像手法により、舞台後方に映像を投影することで、視覚的な奥行きと広がり、そして動きが加わり、壮大な舞台空間を演出していました。