呉奇峯さんのことを私はずっと「先輩」と呼んできた。彼の方が一学年上で、学校は違うが、同じ年にそれぞれの学校の国楽社のリーダーをしていて、よく合同練習をした。互いに腕を磨きあってきた仲で、二胡のご縁で繋がっているように思う。私の友人の中で彼は初めて学校の国楽社からプロの道に進んだ人物である。彼の二胡がどのようにして上達したのか、その過程を知れば、日本の愛好家出身の「二胡奏者」の方達のために参考になると思い、今回、特別に取材させてもらった。日本の皆さんも彼の経験を共有し、役に立てて欲しい。
(取材/呉 俊徳)
呉奇峯プロフィール
台南市出身。中国文化大学中国音楽学系卒業、国立台南芸術大学民族音楽学研究所修了。大学では胡琴を専攻し、陳淑芬、劉俊鳴、楊正安の各氏に師事。また、安如励、李大中、朱霖、陳如祈の諸氏の指導を受ける。副専攻した作曲理論は盧亮輝氏に師事。
現在、台南市立民族管弦楽団専任演奏員兼擦弦楽器パートリーダー、『当代芸林楽集』音楽監督。
1991年 台湾・音楽コンクール成人組二胡部門第一位、同高胡部門第二位。『大学城―創作歌謡コンクール』及び『ICRT青春の星国際音楽コンクール』においてグランドチャンピオンを獲得。
1998年 台南市政府が派遣するアメリカ・コンサート・ツアーに参加。以降現在まで、アメリカ?カナダ(台北民族舞団のメンバーとして)、ニュージーランド(崑山科技大学の指導者として)、日本(台南市立民族管弦楽団)をコンサート・ツアーで訪れている。