第56回 武田麻子先生の老紅木二胡

 皆は元気にしておったじゃろうか、お馴染みアルフー老師じゃよ。今年は梅雨前線が早めに北上し、五月頃から梅雨のような天候が続いておったのう。二胡などの楽器にも影響があるこのジメジメとした時期、早く明けてもらいたいものじゃ。一方、新型コロナウイルスの状況はようやく落ち着き始め、新たな局面に入って来たのう。爺が知っておる各地の二胡教室では、コロナ禍中に映画音楽や動画などから二胡の音色に魅了され、「自分でもこの音を出したい!」と入会を希望する若い人が続々と現れておるそうな。何とも嬉しく、明るいニュースじゃのう! そんな若い人が担い手になって、エンタメ、二胡業界が再び盛り上がってくれることを、心から願っておるぞ。
 さて、今回は関西に名器を所有した人物がおられるとの情報を得たため、キン斗雲の舳先を西へ向け、目的地へと爆走したんじゃ〜!!今回降り立ったのは、大阪府西淀川区じゃ。この街を拠点として活動し、名器を所有しておられるのは、二胡演奏家で講師の武田麻子(たけだ あさこ)さんということじゃった。まだまだ訪問も憚られる中、遠慮がちに二胡教室のベルを鳴らすと、何ともおっとりした印象の武田さんが優しく出迎えてくれ、愛用の楽器について懇切丁寧に説明してくれたんじゃ〜!!
 2003年より北海道で二胡を始めた武田さんは、2005年〜2007年に日本語教師として中国吉林省長春市に赴任。その地で吉林芸術学院教授の馮玉国氏に師事したということじゃった。二胡の本場で学んだこと、人とのご縁に恵まれたことがきっかけで、「音楽(二胡)でみんなを笑顔にすることがライフワーク」と決意したそうなんじゃ。2011年に関西へ移住。現在は三田・大阪・神戸の3箇所を拠点にレッスンや演奏活動、二胡イベントのプロデュースも手がけ、「ぷち発表会」、「welcome 二胡パーティ」、「二胡居酒屋」といった、誰でも楽しく演奏できるイベントを企画・主催しておるということじゃよ。そんな武田さんが、現在レッスンや演奏活動においてメインで使用しておる「王根興」精製 老紅木二胡入手に至るまでのお話を、これまでの楽器遍歴と合わせて、早速、紹介させてもらうことにしよう。

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