第55回 河村伊津美先生の各種二胡

  ?好! 春節も過ぎて、いよいよ春の到来が感じられるようになって来たが、皆は元気に過ごしておるじゃろうか、ご存知アルフー老師じゃ。新型コロナウイルスも依然として予断を許さない状況が続いておるが、そんな最中、西の方では恐ろしい事態を招きかねない状況に陥ってしまったぞ…。犠牲になったり苦しめられるのはいつも、一般市民ばかりじゃ。音楽では世界は変えられないかも知れぬが、二胡という楽器を通じて、人と人とのHarmony(調和)を願いながら、平和への祈りを捧げて行こうではないか。
 さて、今回も前回と同じ関東圏に名器を所有する人物がおるとの情報を得て、春霞たなびく空の下、目的地へと急行したんじゃ〜!! 降り立ったのは、日本最大のニュータウンを有する東京都八王子市。この街を拠点として活動し、名器を所有するのは、二胡演奏家で講師の河村伊津美(かわむら いづみ)さんじゃ。コロナ禍で訪問が憚られる状況の中、恐縮しながら「IZUMI二胡教室」のベルを鳴らすと、何とも慈愛に満ちた穏やかな印象の河村さんが快く出迎えてくれ、愛用の楽器について親切かつ丁寧に説明してくれたんじゃ〜!!
 河村さんは関西で生まれ、幼少期からピアノに夢中だったそうじゃ。2006年大阪外国語大学外国語学部地域文化学科卒業。二胡には学生の頃に出会い、就職するも思い悩んだ末に、2013年上海音楽学院へ留学。2019年までは上海で研鑽を積みながら、二胡を教えたり、イベントやレストランで演奏活動を行って来たということじゃ。第36回アジア国際音楽コンサートでは優秀賞を受賞、また、上海音楽学院二胡検定10級および上海音楽家協会 二胡演奏級に合格しており、これまでに、二胡演奏家の賈鵬芳氏、鳴尾牧子氏、上海音楽学院の王永徳教授に師事したそうじゃ。現在は、東京都八王子市でレッスン活動を行っておるということじゃ。そんな河村さんが、現在メイン楽器として演奏やレッスンに使用しておるのは、上海敦煌楽器有限公司“韻”牌の大葉紫檀二胡。これまでに数多くの二胡を使用して来たそうじゃが、今回はメイン楽器と2本の二胡について、紹介させてもらうことにしよう。

(詳細は本誌をご覧ください)