中国の二胡曲の中には、モンゴルの音楽を素材にした名曲が少なくありません。前号の「フリースタイル・アナリーゼ」で取り上げた「奔馳在千里高原」もその一例ですが、この曲の序奏を聴いた瞬間、時空を超えてモンゴルの草原に移動し、馬頭琴の音を聴いているような気持ちになります。
 こういったモンゴル系の二胡曲は、独特なスタイルの楽曲群と括ることができ、二胡愛好家の皆さんがこのような楽曲を弾く時は、馬頭琴の音をイメージして弾いていると思います。ですが、もしも、馬頭琴の音を聞いた事がなかったり、ほとんど知識が無い、という方は、是非この特集で馬頭琴を知り、よりモンゴル風味の濃い演奏に挑戦していただきたいと思います。
 今回、馬頭琴を取り上げるにあたり、日本において馬頭琴の普及活動をされていた永瀬征博氏にさまざまな面でご協力いただき、リモートでのインタビューにも応じていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。
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