第53回 尾辻優衣子先生の各種二胡

  ?好!お馴染みアルフー老師じゃよ。コロナ禍もウイルスの感染力の強い変異株が猛威を振るい始め、いよいよ収束への兆しが見えにくくなって来たのう…。度重なる自粛で演奏の機会も減少し、二胡演奏家を始め音楽家も正念場じゃ、長期戦の覚悟が必要じゃが、今は手洗いや消毒など基本的な感染予防対策を徹底し、更なる自粛生活で、この状況をグッと抑え込んで行こうぞ。爺の知り合いの講師さんは、この状況を逆手にとって、今こそが楽器を見直せるチャンスと、メンテナンス調整会を行ったりしておるよ。自身の二胡の健康状態をチェックし、弦や千斤を張り替えたり、駒やコントロールマット(控制?)を取り替えることで、見違えるような楽器に変貌することもあるんじゃ!コロナ明けの来るべきステージに向けて楽器の状態を高めて行こうではないか!! さて、このような状況ではあるが、新たに名器を所有する奏者の情報が得られたため、例によって予防対策を徹底したうえで、キン斗雲の舵を西へと切り、目的地へと急行したんじゃ〜!! 今回降り立った場所は、京都府京都市の行政の中心地中京区じゃ。この街を拠点として活動し、名器を所有しておったのは、二胡演奏家で講師の尾辻優衣子(おつじゆいこ)さんということじゃった。個人レッスン教室も開講しておるということで、この様な訪問も憚られる時期に身が縮まる思いでその扉をノックすると、尾辻さんが寛大な心をもって出迎えてくれ、愛用の楽器について丁寧に説明してくれたんじゃ〜!!
 尾辻さんは京都府の出身で、幼少期からピアノを習い、二胡は13歳の時、カルチャースクールで開講されていたグループレッスンで習い始めたということじゃった。その後は翁其松、賈鵬芳、王永徳、杉原圭子の各氏に師事、第14回万里の長城杯で最高位入賞、第14回大阪国際音楽コンクールではファイナリストに選出され、第16回中国音楽コンクールは金賞を受賞、第5回華楽之韵 国際二胡コンクールでは銀賞を受賞したという輝かしい成績も誇っておるぞ。
 2011年より演奏活動を始め、ホテルや寺院・学校など、さまざまなイベントで二胡の普及を目指しており、2013年からは京都市営交通局公認サブウェイパフォーマーとして活動を開始。2015年には一年で最も活躍したパフォーマーに与えられるキング・オブ・パフォーマー受賞者となったそうなんじゃ! そんな尾辻さんが演奏活動においてメインで使用しておる楽器は、現代二胡の騎手、高韶青(ジョージ・ガオ)氏が考案・開発した「韶琴(シャオチン、ジョージ・ガオモデル)」ということじゃった。その他レッスンにおいてメイン使用しておるという「胡涵柔精製 老紅木二胡」も合わせて、これまでの楽器遍歴と共に、早速、紹介させてもらうことにしよう。

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