第46回 酒井和嘉子先生の紫檀二胡

 今秋は台風15号、19号が立て続けに日本へ上陸し、甚大な被害をもたらしたのう。被災された皆様が、一日も早く平穏な生活に戻られることを、心よりお祈りしておるぞ。暦ではもう初冬を迎え、秋の心地良さを感じる暇もなかったのう〜、お馴染みアルフー老師じゃよ。さて、今回は一年ぶりにキン斗雲の舳先を東へと向け、曇天の晩秋の空の下、関東地方の目的地へと急いだんじゃ〜!!今回降り立った場所は、音楽・芸術の街としても知られる、神奈川県川崎市麻生区。この街を拠点として活動し、名器を所有しておったのは、二胡演奏家で講師の酒井和嘉子(さかいわかこ)さんということじゃった。レッスン活動もされておるという「昭和音楽大学」の練習室へ突撃訪問させてもらったが、この爺の不躾な申し出にもかかわらず、艶やかな雰囲気を纏いながらも活発な印象の酒井さんが出迎えてくれ、愛器についてユーモアたっぷりに説明してくれたんじゃ〜!!
 酒井さんは栃木県出身で、幼少期をアメリカで過ごしたそうな。当時からバイオリンに親しみ、William Kennedy、Hannah Yimの両氏に師事、カリフォルニア州選抜ユースオーケストラでコンサートミストレスを務め、ディズニーランドなどでの演奏経験もあるそうじゃ。海外生活を経て異文化にも興味を持つようになり、2009年より二胡を始め、一年も経たずして二胡検定上級に合格したということじゃった!2013年上海音楽学院主催「2013二胡大師班夏令営(サマーキャンプ)」を修了、2015年第4回華音杯(国際コンクール於アメリカ)海外部門金賞を受賞。また、講師としても、東京都・神奈川県・栃木県内の3教室で指導に当たっておるということじゃ。そんな酒井さんが演奏活動やレッスンにおいてメインで使用しておる楽器、「王根興」精製 上海式インド小葉紫檀二胡のお話を中心に、これまでの楽器遍歴と併せて、紹介させてもらおう。

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