このページでは、皆さまからいただいた二胡に関するイベントや様々な活動の情報を掲載しています。
※NiCOMMUNITYでは皆様からのイベント情報を募集しています。情報はこちらにて受け付けております。
EVENT REPORT

第55回 香巴拉(シャンバラ)音楽鑑賞会

 奇数月の第三日曜日(現在は金曜日から変更になっています)、14時から蕨市の「庵洞 香巴拉」において開いている「香巴拉(シャンバラ)音楽鑑賞会」の内容のご報告です。

◎第55回 7月15日「陝北民歌−名家経典(DVD)」
 小生が中国の音楽文化に関心を持つようになったきっかけは、1964年の中国映画「東方紅」です。新中国建国15周年を記念する勇ましい映画でしたが、そこに登場する中国各地や少数民族の音楽文化の多様さに大きな魅力を感じたのです。しかしその後の文化大革命の時代は紅色一色の革命歌ばかりになります。そんな時出会ったレコードが『陝甘寧辺区革命民歌五首』(中国唱片社 M-917 1972)で、その中の「山丹丹開花紅艶艶(陝甘民謡)」を聞いて美しいと感じ、その時からこの地域の民謡に興味をもつようになりました。この「山丹丹開花紅艶艶」は「花紅に染まる山」という日本語題名で「二胡之友」第53号に譜面も掲載され、自分も挑戦してみようかなという気持ちにさせられます。
 今回の鑑賞会では、この半世紀前のレコードに収録の「山丹丹開花紅艶艶」を皮切りに、今世紀初めに中国唱片社から出された『中国陝北民歌』(CD7枚+DVD1枚の8枚組)のDVD「陝北民歌−名家経典」を鑑賞しました。このDVDには歌曲19作品と趙季平、賀芸、喬建中の三人の先生の談話(小生の下手な日本語訳も準備)もあり、陝北地方の民謡を理解しやすい構成になっています。収録曲の中には、未来へ向けての明るい展望を讃える歌、日本軍をやっつけるといった趣旨の歌もありますが、大体は地域の民衆に愛されてきた民謡で、陝北民謡の魅力を十分に味わえます。趙季平先生のお話にも出てくることですが、1980年代中国には西北風という強い音楽文化の流れが起きます。そのきっかけの一つになったのが映画『黄色い大地』でした。この映画では、八路軍の兵士による陝北地方の民謡採集が描かれています。当時この陝北を含めた陝甘寧辺区は中国共産党や紅軍の拠点で、この地域に集まった知識青年たちによる民謡採集などの文化活動が、その後の中国大衆歌曲の大きな土台の一つになっていることが分ります。この『中国陝北民歌』には140曲以上の民謡が収録されている他、立派な解説もついていて大変参考になります。
 21世紀に入ってすぐの頃、この『中国陝北民歌』を始めとして、各省ごとの大部な民謡集がいくつか出されています。また図書資料でも1980年代から『中国民間歌曲集成』などの大規模な資料集が刊行され、膨大な数の譜面や歌詞も見ることができるようになりました。その膨大さの背景に、地道に民謡を採集してきた多くの人々の姿が見えてきます。『中国民間歌曲集成』は、省・自治区ごとに1〜2巻で構成されており、中国の民謡を調べる基本資料といえます。大学図書館などでも所蔵されていますが、関西では国会図書館関西館と国立民族学博物館みんぱく図書室(いずれも18歳以上)、首都圏では東京都立中央図書館で所蔵されており、誰でも閲覧することができます。
(庵洞 香巴拉 安藤)

☆「香巴拉(シャンバラ)音楽鑑賞会」今後の予定(奇数月の第三日曜日、毎回14時〜)
 第56回 2018年11月18日(日) 「ウイグル十二ムカーム ? スィガー篇」(DVD)
 第57回 2019年1月20日(日) 「ウイグル十二ムカーム ? イラーク篇」(DVD)
 なお2018年9月はお休みします

 問合せ先:「庵洞 香巴拉」.048-442-3543 e-mail:untiku-sai@warabi.ne.jp

 
CONCERT INFORMATION

BlueOwlコンサートin平塚

太田久遠(二胡)、高橋 涼(ピアノ、作曲)、金子朋沐枝(尺八)によるトリオ“BleuOwl”のコンサート。

◎日時:2019年1月27日(日)
 @11:00〜 BlueOwlコンサート
 A14:00〜 メゾソプラノ歌手の稲本まき子さんと
       BlueOwlの共演
◎会場:八幡山の洋館
 (旧横浜ゴム平塚製造所記念館)
 (神奈川県平塚市浅間町1-1
 TEL0463-35-7114)
◎入場料:各回2,000円
◎問い合わせ:近藤伸子(ファーストコンサート)TEL0467-67-4579
◎申込:高橋涼TEL090-7833-9831 E-mail yuttari_food_color@yahoo.co.jp
 太田久遠HP http://nikohisa.com/contact/277-2/


神弓妙韻 許可(シュイ・クゥ) 来日30周年記念胡琴リサイタル

民族楽器を超え、世界の楽器へと二胡を飛躍させた超名人芸。
圧倒的な表現力とテクニックで他の追随を許さない真の芸術家。
前人未踏の演奏力で世界を歌う、史上最高峰二胡奏者。
東西の文化を二胡でつなぐ音のシルクロード、地球音楽大使。

◎日時:2019年2月8日(金)
    14:00開演 13:30開場
◎会場:東京文化会館小ホール
◎出演:許可(シュイ・クゥ)(二胡)、王犁(ワン・リィ)(ピアノ)
◎入場料:全席指定5,000円
◎チケット・お問合せ:Ro-ON チケットTEL047-365-9960(労音HPからも購入可能ro-on.jp)
 許可二胡塾TEL080-5376-8666 E-mail:xukeerhuschool@gmail.com
 東京文化会館チケットサービスTEL03-5685-0650
 チケットぴあ【Pコード127-487】TEL0570-02-9999
 ローソンチケット【Lコード35316】TEL0570-000-777


〜 許可&王犁(ピアノ)2019年新春音楽会 in 大阪 〜

◎日時:2019年2月9日(土)
 16:00 開場/17:00 開演
◎会場:カフェ・ド・ラ・ぺ
 大阪市中央区難波4-2-1 難波御堂筋ビル2F
 (なんば駅 13番出口直結)
◎入場料:5,000円(税込)/
 全席自由・ワンドリンク付き
◎お求め・お問合せ:
 許可二胡塾 TEL080-5376-8666/
 xukeerhuschool@gmail.com
 カフェ・ド・ラ・ぺ TEL06-6644-1248

 
CONCERT REPORT

二胡&馬頭琴 デュエットコンサート「弦」

◎日時:2018年8月28日 19:00開演
◎会場:
 日本橋社会教育会館ホール8F
◎出演:MAYA(二胡)
 Nars/ナルソ(馬頭琴)
 小田切伶夏(ピアノ)
 皆川太一(ギター)
 村田暢宏(パーカッション)

 沖縄で育ち8歳から二胡を始め、現在、北京の中国音楽学院で宋飛氏に二胡を師事しているMAYAさん。本年2月の「伝伝」二胡コンサートに続き、今回は2回目の東京でのコンサートとなる。MAYAさんと言えば、フジテレビ「ザ・ノンフィクション」日中共同制作第3弾『自分の殻を破るには〜麻耶の葛藤〜』で、北京での留学生活が紹介されている。
 前回の「伝伝」コンサートでは、「いろいろな気持ちを伝えたい」というコンセプトで行われたが、今回の「弦」では、まだまだ日本では知名度の低い馬頭琴と二胡のデュエットをぜひやってみたいという気持ちから企画されたという。
 馬頭琴奏者のNarsさんもまた中央民族大学音楽学院の学生で、「どこかで見た顔だな」と思ったら、上記の番組で彼氏として紹介されていた青年だった。なるほど。MAYAさんに言わせれば、学校の中で馬頭琴の演奏が一番輝いていた人なので、デュエットしてみたいと思ったとの事。
 演奏は、まず故郷である沖縄の曲、「花」、「童神」から入り、次に中国でも人気の高い北国の春、昴、そして中国曲、馬頭琴とのデュエット「波如来(モンゴル民歌・子守歌)」、「梁祝」と繋がっていった。
 Narsさんは、馬頭琴だけでなく、モンゴルのホーミーの名手でもあり、一人で馬頭琴とホーミーの多重奏も披露し観客を魅了した。ホーミーは喉からだけではなく、同時に鼻からも音を出している事にも驚かされた。
 MAYAさんの不思議な雰囲気だが温いMC、そして二胡の演奏と馬頭琴の演奏に圧倒され、瞬く間に時間が過ぎ去った。
 MAYAさん、Narsさんの若いお二人には、中国でより多くのことを学び、それぞれの演奏活動をより磨き、二胡と馬頭琴のコラボレーションも発展させていかれる事を大いに期待したい。

 
INFORMATION

田宇の二胡教本
「二胡演奏の科学-理論と実習」好評発売中

 『二胡之友』に「二胡演奏の科学」を連載し、それに基づくセミナーを3年半開いた二胡奏者田宇の教本発行。
 「二胡を学ぶ人には、誰でも上達してほしい。そのためには基本が何より大切」をモットーに書かれており、『二胡之友』連載文に加筆訂正、写真を増やし、田宇作曲の練習曲も入っている。教本を見開きで譜面台に置いて、見ながら練習できるように作られている。
◎編著:田宇
◎ページ数:本文64ページ
◎発行者:日中音楽交流協会
◎価格:本体2000円+税
◎申込み先:『二胡之友』(E-mail:info@nikonotomo.com)
      ラサ企画(090ー2725-7381 E-mail:lasanon@db3.so-net.ne.jp)