毎月第三日曜日、14時から蕨市の「庵洞　香巴拉」において開いている「香巴拉（シャンバラ）音楽鑑賞会」の内容のご報告です。

◎第38回４月17日　バレエ劇「二泉映月」（遼寧バレエ団）
　二胡を嗜む人ならば、知らないはずのない名曲「二泉映月」。この作品をバレエにしたらどうなるか、という興味が動機となって、鑑賞しました。中国江南の無錫の街を二胡や琵琶を弾きながら巡っていた盲人阿炳〔華彦鈞〕、その人生を素材に描いた若い男女の悲恋物語で、バレエにするとやはりこのような形になるのかな、と思います。遼寧バレエ団は、中国東北の遼寧省瀋陽で1980年に設立され、「二泉映月」は十数年来の代表作、鑑賞したDVDは2006年版です。このバレエ団は西洋のクラシックバレエなども公演していますが、中国の音楽を素にしたものとして、「梁山伯と祝英台」、「カダメイリン」があり、これらの作品にも興味を感じます。華彦鈞については本や雑誌で時々扱われることもあり、映画『二泉映月』（1979年）も華彦鈞そのものを主人公にしています。その実像をより理解するために、最近入手した『中国音楽百年史話（DVD、中国中央テレビの音楽番組）』の６回目の映像も見てみました。華彦鈞の人生を扱った内容ですが、彼は楽器の演奏だけではなく、耳にしたニュースを「説新聞、説新聞（ニュースだよ〜）」と歌い無錫の方言による語り物として広く伝えるなど、庶民の間で親しまれていたということも知りました。なお、このバレエ「二泉映月」は、インターネットで調べてみると、今年に入ってからも中国各地で公演されていることが分かります。

◎第39回５月15日　「ウイグル十二ムカーム　�W　チャハールガー」
　　「ウイグル十二ムカーム」の四番目は「チャハールガー」編。厳しい乾燥地帯に生まれたウイグルの人々の自然との闘いがテーマです。西アジアから中央アジアにつながる一帯には、カレーズ〔中国語：坎爾井kan er jing〕と呼ばれる灌漑、水道技術があります。ウイグルでは主にトゥルファン地区で清代から行われていたとされています。「チャハールガー」編では、ブドウ、ザクロなどの豊かな作物の実る田園地帯、仲間同士助け合うウイグルの人々の生活、乾燥のため故郷を離れる民衆、自然と闘い協力してカレーズを掘る民衆の様子が描かれます。この「チャハールガー」は１時間弱とやや短いため、カザフ族のドンブラ演奏のDVDも鑑賞しました。
（庵洞　香巴拉　安藤）

☆「香巴拉（シャンバラ）音楽鑑賞会」今後の予定（毎回14時〜）
　第40回　2016年６月19日（日）「チベッタン・ポップスの世界　�W」
　第41回　2016年７月17日（日）「ウイグル十二ムカーム　�X　パンジガー篇」
　８月はお休みいたします。

　問合せ先：「庵洞　香巴拉」��.048-442-3543　e-mail：untiku-sai@warabi.ne.jp

◎日時：2016年７月24日（日）18:00開演　17:30開場
◎会場：神戸国際会議場メインホール
◎料金：前売5,000円、当日5,500円　全席自由
◎出演：日本華楽団、国際華楽団
◎主催：主催：コンリン音楽事務所
◎チケット・お問合せ：日本華楽団FAX 06-6373-9856
　E-mail　jco1997@hotmail.com
　HP　http://www.gonglin.com/event_20160724.html
＊日本華楽団成立20周年記念活動の一つとして、中国民族楽器のコンクールも開催されます（申し込みは６月10日に締め切りました）。入賞者は24日14：00から、神戸国際会議場メインホールでのコンサートに出演予定。ほかに、23日は「雅楽・邦楽の夕べ」が神戸国際会議場メインホールで、25日はマスタークラスがオリエント楽友ホールで開催されます。 　詳細は http://www.gonglin.com/event.html をご覧下さい。

二胡の夢コンサート

第６回九州劉福君二胡教室定期演奏会
熊本地震被災地支援チャリティー

◎日時：2016年７月31日（日）14：00開演　13：30開場
◎会場：薩摩川内市川内文化ホール（大ホール）
◎料金：無料
◎主催：劉福君二胡（川内）教室
◎お問合せ：川内教室　野尻　TEL 090-9796-8602
　劉福君二胡教室　TEL 096-353-2805
　E-mail　info@liu-fk.com
　HP　http://www.liu-fk.com/
◎後援：薩摩川内国際交流協会、
　NPO法人日本二胡振興会、熊本県文化協会、
　熊本日日新聞社、熊本放送、熊本労音

◎日時：2016年9月4日（日）13:30開演　13:00開場
◎会場：東京オペラシティ　リサイタルホール
◎料金：前売6,000円、当日6,500円　全席自由
◎出演：崔君芝（箜篌）　劉継紅（二胡・高胡）
　　　　　余明（琵琶・中阮）
◎演奏曲目：二泉映月（二胡）、「清明上河図」（箜篌）、
　　　　　　　　荒城の月（琵琶）他
◎お問い合わせ：090-4298-4628（三谷）
　 erhu.jihong@gmail.com（川名）
　メールでお申し込みの際は、件名を「９月４日コンサートチケット」とし、お名前、ご住所、お電話番号、枚数をお書きください。
◆詳細はコチラ：http://www.liu-jihong-osaka.org/

　二胡とボーカルの日本人演奏家である“真真（しんしん）”と、アフリカンドラム「ジャンベ」の演奏家である“わきたにじゅんじ”の二人によるライブが、６月10日（金）、新宿・竹林閣で開催されました。
　ともに山口県出身の真真とわきたにのコラボは、故郷の山口県はじめ全国各地で行われており、その息の合ったパフォーマンスは定評があります。 　真真は、2012年に24年間勤めた国語教諭を退職し、2013年CDアルバム「花」をリリース。現在、二胡演奏家として活動しています。二胡歴は2008年からと短いながら、４歳から音楽を始め、７歳からピアノ教育を受けたという基礎があり、当夜は安定感のある演奏を披露してくれました。
　共演のわきたにじゅんじは、二胡の響きをジャンベなど多彩なパーカッションで支えていましたが、とくにクリスタル（水晶）で製造された楽器「クリスタルボウル」の伴奏による「揺籃曲」は、ヒーリング・サウンドとして面白い試みだと感じました。
　アンコール「アメージンググレース」を含めて全11曲でしたが、全体を通して、質の高いライブだったと思います。とくに「蘇州夜曲」では真真のボーカルと二胡演奏で、素朴さと澄んだ感覚が魅力的でした。