第30回 張鶴先生の各種二胡
?好!ご存知アルフー老師じゃ。この号が出る頃は日本では梅雨の真っ只中じゃろうか、二胡のニシキヘビ皮にとって大敵な湿度の高い時期じゃのう〜。湿度を含んで蛇皮が緩んだ爺の楽器も、いつもの美麗な音色を奏でられんようになっておるぞ…(苦笑)。さて、前回は茨城県を拠点に活動するバイタリティ溢れる女性奏者のもとを訪ねたが、今回は久々に、北陸地方に素晴らしい楽器の所有者がおるとの噂を情報筋から聞き付けたため、キン斗雲の舳先を西北西に向け、今にも泣き出しそうな初夏の空のもと、目的地へと急行したぞ! 今回降り立ったのは、「越中富山の薬売り」で知られる、富山県富山市の中心部。この街で教室を開き、名器を所有しておるのは、二胡演奏家で講師の張鶴(ちょう かく)さんということじゃった。大通りに面した建物の上階に上がると、そこはご自宅兼二胡教室「張鶴音楽事務所」になっており、雰囲気のある中国小物や拘りの備品に囲まれた素敵な空間が眼前に現れたぞ! 突然の訪問にもかかわらず、何とも気さくで福々しい笑顔の張鶴氏が暖かく迎え入れてくれたため、この爺、早くも癒されてしまったぞぉ〜い(泣)!
張鶴氏は中国北京市出身で、中国を代表する国立放送民族楽団の首席奏者であった父・張連生氏に6歳より二胡を学び、10歳より各地で演奏活動を行っていたということじゃ。中学時代には、北京・香港両都市の文化交流活動のメンバーに選抜され、香港で演奏もしたそうな。2003年、15歳の時に来日してからは二胡教室で講師も務め、父のコンサートで共演したり、日本の中国音楽愛好者らによる連昇二胡楽団へ参加、またソロでも日本各地で演奏活動を行って来たということじゃ。2012年、大阪芸術大学卒業を機に、富山に活動拠点を移して「張鶴音楽事務所」を設立、富山各地にも二胡教室を持つようになり、今では富山の二胡愛好者らと鶴翔二胡楽団を結成して、二胡の普及に努めておられる。そんな張鶴氏が現在、演奏活動やレッスンで使用しておられるメイン楽器は、「陸林生」氏製作の蘇州式紫檀二胡ということじゃった。それでは早速、本人のコメントを交えて紹介させてもらうことにしよう。
(詳細は本誌をご覧ください)
陸林生精製 蘇州式紫檀二胡全体 |
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