第29回 五箇由紀子先生の紫檀二胡

 ?好!お馴染みアルフー老師じゃよ。日本はちょうどゴールデンウィークの頃じゃのう〜。中国にも黄金周というのがあるんじゃが、5月1日の労働節から始まるお休みは短いため、現在では春節(旧正月)と国慶節(10月1日)から始まるお休みのことを指しておるぞ。こんな行楽日和には二胡の練習をやめ…イヤ、失礼!二胡を連れて旅行に出たいもんじゃのう!さて、前回は奈良県で二胡の魅力を伝えている優しい女性奏者のもとを訪ねたが、今回は再び関東地域に名器を所有する二胡奏者がおるとの噂を聞き付けたため、愛用のキン斗雲を東へと駆り、柔らかな春の日差しのもと、目的地へと急いだぞ! 今回降り立ったのは、眼前に豊かな自然が広がっており、農業が盛んな地域でもある、栃木県に隣接した茨城県西の中核都市、筑西市じゃ。この街を拠点に演奏活動をしながら教室を開講し、名器を所有しておるのは、二胡演奏家で講師の五箇由紀子(ごか ゆきこ)さんということじゃった。お会いしてみると、小柄ながらも活力みなぎるチャーミングな女性で、初対面にもかかわらず、老いぼれのこの爺を温かく迎え入れてくれ、とても元気にしてくれたぞぉ〜(泣)!!
 もともと二胡を弾く前は、中学校のブラスバンド部で出会ったフルートに親しんで来たそうで、部活でのめり込んだ後、音楽大学に進学した際にもフルートを専攻したということじゃった。大学在学中にも、某音楽教室でフルートを生徒に教えるほどだったそうなんじゃが、ご結婚後、旦那さんがマレーシアへ転勤となったことがきっかけとなり、一旦教える立場からは離れられたということじゃったよ。とはいえ、転勤先のペナン島では、時々ホームコンサートを開いては、小さなグループでフルートの演奏を楽しんだり、ペナンユースオーケストラに木管楽器を指導することがあったり、音楽からは離れることなく生活していたそうな。二胡に出会ったのは、その後マレーシアから転勤となった中国でのことだったそうで、上海で習い始めたということじゃった。そんな五箇さんが現在、演奏活動やレッスンで使用しておるメイン楽器は、「王根興」氏製作の上海式アフリカ小葉紫檀二胡ということじゃった。それでは早速、本人のコメントを交えて紹介させてもらうことにしよう。
(詳細は本誌をご覧ください)

王根興精製 上海式アフリカ小葉紫檀二胡全体