第23回 杉原圭子先生の各種二胡(後編)

 ?好! お馴染みアルフー老師じゃ。日本はちょうどゴールデンウィークに差しかかるところじゃろうか、中国でも以前は労働節(5月1日)から始まる黄金周があったが、現在は春節と国慶節から始まる連休以外は、そう長くは休めんようになっておるぞ(泣)。さて、前回は京都府下京区の京町家で教室を開講しておる、二胡講師・演奏家の杉原圭子さんのコレクションより、「陸林生」氏監修の紅木二胡、同じく陸老師精製の老紅木二胡、製作者不詳の北京式八角紫檀二胡および、北京式金属軸糸巻き黒檀二胡の4本を紹介させてもらったが、次々に出てくる楽器は数知らず、一度では紹介しきれなかったため、今号も引き続き、杉原さんの楽器コレクションを紹介させてもらうことにしよう。後半戦へ、突入じゃ!!

製作者不詳北京式六角紫檀二胡全体

杉原:北京の中央音楽学院へ聴講生として留学していた頃や、その後も1年に数ヶ月間は北京に行っていたため、師事していた張韶先生からは、本当に色々なことを学びました。音楽と“気”との関係など、張先生は独自の教育理論を持っていらっしゃったため、まずは生活面の勉強から教わりました。例えば、階段の上り方から“気”を使うなど、中国古来の健康法である気功から始めることを学びました。楽器については、張先生の留守中にも、様々な年代の先生方に曲ごとに師事し、二胡の他に馬頭琴や広東高胡などの擦弦楽器、撥弦楽器、打楽器など、たくさんの楽器に触れ、勉強することができました。その他にも、例えば、弓が20本ある中から良い弓の順に並べてください、とか、100本ある中から、2本だけ良い弓を選びなさい、などの課題を与えられることで、備品を見抜く力も具えさせてくださいました。張先生に師事してから20年近くが経ちますが、大事なことは、最初に全て教えてもらえた気がします。

老師:この北京式六角紫檀二胡も、前号で紹介した八角紫檀二胡同様に製作者不詳なんじゃが、80年代頃に製作された楽器かのう、同じ時期に譲り受けたものということじゃった。何でもニシキヘビ皮が古いんだそうで、その音色は円やかで深く味わいのあるものじゃったよ〜。現在は時々、長城弦を張って演奏活動に使用しておるということじゃった。



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