千斤の機能
二胡の中で糸や金属を用いて有効な弦の長さを決める装置を千斤または千金といいます。千斤の種類、固定位置、弦と棹の距離は二胡の音色と音量に大きな影響を与えます。
ひと昔前までは、千斤の素材はあまり重視されていませんでした。ただし、近代の二胡制作技術の進歩により、千斤の材質は次第に注目されるようになってきました。千斤の材質は、弦が振動する際の胴体、棹、糸巻きの共振に関係し、開放弦の音色と音量の変化にも影響します。
千斤の種類
千斤の材質によっては二胡の振動と音色は大きく変化します。糸千斤を用いると比較的柔らかな音色になり、固定千斤は比較的大きな音量が得られます。 それでは、それぞれの千斤の特徴について見ていきましょう。
<糸千斤>
■凧糸(調理用糸)
■蝋加工糸
■絹糸
■化学繊維
<装着千斤>
■金属千斤
■固定千斤
■微調整機能付千斤
■移動千斤
千斤の位置
千斤の適切な位置には諸説あります。例えば胴体に肘を載せ、腕を棹に平行に添わせて、小指のつけ根辺りに千斤を装着する方法。また、棹の長さや蛇皮の状態に合わせて、最も良い音色が出る位置に千斤を装着する方法など、適切な千斤の位置は、製作者や演奏家によって異なるようです。
詳しい解説は本誌をご覧下さい。