二胡製作工房「光舜堂」の店主、西野和宏さんに、二胡を作る最も重要な素材である木について、わかりやすく綴っていただきます。題して「二胡を作る木の話」。 日頃何気なく触れている二胡ですが、そこに用いられている木にはどのようなパワーが秘められているのでしょうか?

 皆さん、こんにちは。これから、二胡を作る木について、お話をしていきます。しばしばお話が横道に逸れたりするかもしれませんが、どうか気長にお付き合いください。

 二胡は二本の弦を馬の尻尾の毛で擦って音楽を奏でる楽器です。弓でこする弦の振動は駒に伝わり、その駒が蛇皮でできた振動板をゆすります、すると木でできた胴や棹が鳴ります。突き詰めれば、すべての弦楽器は、木でできていると言ってよいと思います。中にはインドのシタールのように、ひょうたんで胴ができているものや、板胡、ヤシ胡(椰胡)のようにヤシの実の殻を胴に使ったものや、あるいは竹を使ったものもありますが、やはり棹は木で作ったものが多く、木が鳴る楽器ということに違いはありません。

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シャム柿 パドウク ブラジリアン
ローズウッド
ホンジュラス
ローズ
マダガスカル
ローズ
板胡 椰胡