第51回 中山靖子先生の各種二胡

 ご存知アルフー老師じゃ。世界が新型コロナウイルスの脅威に晒され始めてから早一年。この未曾有の事態に人々の生活は変化を余儀なくされ、皆の価値観も一変させられた年だったのではないじゃろうか? 二胡界においても、人との接触機会を減らす生活の中では、講師さんや生徒さんも気苦労が多く、リモートレッスンを取り入れた教室も少なくないということじゃ。手指消毒やマスク着用と同様に、この新生活様式は、今後スタンダードな流れになって行くのじゃろう…。さて、感染拡大防止の観点から、今回も様子を見ながらの行動となったが、新たに、名器を所有する奏者の噂を聞き付けたため、予防対策を徹底した上で、キン斗雲の舵を北西へと切って、目的地へと急行したんじゃ〜!!  今回降り立った場所は、大河ドラマ『麒麟がくる』の舞台にもなった、一乗谷朝倉氏遺跡がある福井県福井市じゃ。この街を拠点として活動し、名器を所有しておるのは、二胡演奏家で講師の中山靖子(なかやまやすこ)さんじゃ。中山さんのお義父さんが建てられた福井市内の小劇場「スタジオしろとんぼ」でレッスン活動をされておるということで、その入り口をくぐると、何とも穏やかで柔らかな印象の中山さんが出迎えてくれ、とりわけ神経を使うこの時期の訪問にもかかわらず、愛用の楽器達について親切に説明してくれたんじゃよ〜!!
中山さんは石川県出身、3歳から始めたピアノで音楽の楽しさを学んだそうじゃ。2004年から福井で活動する二胡奏者 李丹氏に師事し、2011年には全国二胡検定上級1に合格、2014年からは、日本を代表する二胡奏者 鳴尾牧子氏に師事し、第20回中国音楽コンクール一般の部では(上級)銅賞を受賞。現在では福井県内を中心に中国曲をはじめ歌謡曲や童謡での二胡演奏活動、二胡教室「福井二胡の会」にて講師を務めておるそうじゃよ。そんな中山さんが演奏やレッスンにおいてメインで使用しておる楽器は、10年以上愛用しておる古月琴坊工房「萬其興」老師製作の明清老紅木二胡、そして同工房の工場長「黄建洪」氏製作の“収蔵版”アフリカ小葉紫檀二胡の2台。これについて、本人のお話を中心に、これまでの楽器遍歴も合わせて、紹介させてもらうことにしよう。

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