毎月第三日曜日、14時から蕨市の「庵洞　香巴拉」において開いている「香巴拉（シャンバラ）音楽鑑賞会」の内容のご報告です。

◎第42回　9月19日
　「土楼神韻−原生態客家(ハッカ)風情歌舞集」（DVD）
　中国南部福建省などの山地には、客家（ハッカ）と呼ばれる人々がたくさん住んでいます。民族としては漢民族なのですが、周辺の人々とは全く違う客家語という方言を話しています。客家は大昔華北の中原の地に住んでいましたが、千数百年前から北方異民族の侵入や激しい戦乱から逃れ、福建、広東、江西の山間地に移住します。客家の名は、土着の人々からはよそ者であったためにつけられたものです。土地の所有が困難であったことから、土着の集団とは械闘と言われる軋轢や闘いが絶えず、独特の習慣が形作られていきます。その一つが土楼と呼ばれる集合住宅です。特に知られているのは円形をしており、壁は頑丈に作られていて、大砲にも耐えられるなど防御能力の高いものです。大きなものは３階から５階の作りで、数十家族が共に居住します。2008年には世界文化遺産にも登録されるなど、極めて特徴ある建築物です。今回鑑賞した「土楼神韻」は、この土楼の文化や客家の歴史、習俗を広く伝えるために、福建省永定県客家土楼芸術団により制作されました。鑑賞したＤＶＤは「2011年国家大劇院新春演出季」に、北京にて胡錦涛総書記など当時の国家や党の指導者達の前で公演された時の映像記録ですが、台湾の台北などでも上演されています。客家の人々は、歴史的にも商業や流通の分野で活躍する人が多く、台湾以外にも東南アジア各地に進出しています。教育重視の伝統があり、著名な人物として、孫文、�ｹ小平、郭沫若、シンガポール首相だったリー・クアンユーなどがあげられます。北京での公演記録のため、解説やセリフは普通話（標準語）、歌のみが客家語で、謎々歌など伝統的な歌合戦も登場しますが、客家文化の味わいが余り感じられないな、と軽い失望も残りました。中国社会の中での正統性や中原との繋がりを求める象徴として、族譜（一族の系図）や個人の実績を記録した石筆(石の柱)への再評価の動きも感じられます。 　
（庵洞　香巴拉　安藤）

☆「香巴拉（シャンバラ）音楽鑑賞会」今後の予定（毎回14時〜）
　第44回　2016年11月20日（日）「チベッタン・ポップスの世界　�X　降央卓瑪（チャンヤンチュオマ）」(DVD)
　第45回　2016年12月18日（日）「二胡の兄弟−雷琴　傅定遠演奏ビデオ集」(DVD)
　2017年１月はお休みいたします

　問合せ先：「庵洞　香巴拉」��.048-442-3543　e-mail：untiku-sai@warabi.ne.jp

　９月６日（火）夜、HAKUJU HALLにおいて、BS-TBSの番組「こころふれあい紀行」のナビゲーターを務める賈鵬芳と相方のギタリスト中村圭之介を中心とした「こころふれあいコンサート」が開かれました。二胡の楊�ﾌ宇も加わり、渡辺雅二（ピアノ）、藤井茂（ギター）、木村重之（パーカッション）という名手たちも参加。主にこの番組で演奏したさまざまなジャンルの曲を15曲、アンコールに2曲を演奏。中国曲は「翻身歌」とアンコールの「賽馬」だけでしたが、ポップス、映画音楽、クラシック、テレビ番組のテーマ音楽など、幅広いジャンルの曲がテンポ良く演奏され、良く知られている曲が多いからか、徐々に客席も盛り上がり、興奮のうちに幕を閉じました。なお、「こころふれあい紀行」は、日曜日９時から放映され、好評を博しているようです。音楽番組ではありませんが、日本各地の匠を発掘し訪ねる内容で、とても珍しい工芸などを作成する様子が紹介されます。

美しい音色と選曲で、固定ファンの多い
二胡奏者曹雪晶コンサート

◎日時：2016年11月2日（水）19:00開演　18:30開場
◎会場：ルーテル市ヶ谷ホール（新宿区市谷砂土原町１-１）
◎伴奏：西音あき子（ピアノ）、諸岡由美子（チェロ）
◎予定曲目：草原上、牧羊女、スラブ舞曲、リベルタンゴ、バッハ無伴奏組曲より、プレリュード　ほか
◎料金：4000円　全席自由
◎チケット取り扱い：オフィス・和弦
　　TEL 090-8775-7981 FAX 03-6912-7607
　　E-mail wagen@gmail.com

毎年、趣向を凝らして開かれるシュウミンの二胡コンサート。
中国の古の悲恋物語「梁山伯と祝英台」を二胡とヴァイオリンの二重奏で再現。

◎日時：2016年11月３日（木・祝）14：00開演　13：30開場
◎会場：四谷区民ホール（新宿区内藤町87）
◎出演：シュウミン（二胡）、佐藤由里亜（ピアノ）、ゲスト：瀬崎明日香（ヴァイオリン）
◎予定曲目：梁山伯と祝英台、二泉映月、夜の女王、愛のあいさつ、チャールダッシュ　ほか
◎前売り指定席3500円、自由席3000円、当日4000円
　チケット取り扱い　株式会社SAA　TEL・FAX 03-5681-0482
　http://www.xiumin.com

今回は、日本初演の梁聆聆の二胡と室内楽の数々をお聞きください。日本で演奏されたことのない新しい曲も。

◎日時：2016年11月12日（土）14：00開演　13：30開場
◎会場：カメリアホール
　（江東区亀戸2-19-1　カメリアプラザ3F）
◎出演：梁??（二胡）、熊俊傑（揚琴）、朱文瑶（阮）、白凱（打楽器）
◎予定曲目：組曲・窓辺集、組曲・詩語春秋、秋過、感謝、舞動藍調　ほか
◎前売り一般5000円　全席指定　当日5500円
　チケット予約：NPO法人日本二胡振興会事務局
　（平日14時〜18時）
　TEL 03-5628-5291 FAX 03-5628-5292
　E-mai staff@jerhu.com

今回は、女子十二楽坊第一期メンバーの二胡奏者、霍暁君との共演。

◎日時：2016年11月20日（日）14：30開演　14：00開場
◎会場：ルーテル市ヶ谷ホール（新宿区市谷砂土原町１-１）
◎伴奏：高橋涼（ピアノ）
◎予定曲目：糸、真田丸テーマ曲、陽光照耀着塔什庫爾干、
　ルーマニア舞曲　ほか
◎前売り4000円　当日4500円　全席自由
　チケット予約：ラサ企画　TEL 090-2725-7381
　E-mail lasanon@db3.so-net.ne.jp
　中国音楽勉強会　TEL 090-8771-3150
　E-mail jfkando@nifty.com

日本の胡弓コンサート。日本の伝統楽器で唯一の擦弦楽器・胡弓の演奏家木場大輔が、古典から最新のアプローチで、胡弓の豊かな音楽性と可能性に迫ります。

◎日時：2016年11月23日（水・祝）15：00開演　14：30開場
◎会場：北とぴあ　つつじホール（北区王子１-１-１）
◎出演：木場大輔（胡弓）、菊央雄司（歌・三味線）、
　足立知謙（ピアノ、シンセサイザー）
◎予定曲目：時の回廊、こきりこ節、千鳥の曲に寄せて、焔
　ほか
◎一般3500円　北区民2800円　学生1500円　全席自由
　お問合せ：胡弓いま←→むかし事務局（古典空間内）
　03-5478-8265

二胡奏者賈鵬芳のために「三国志」をテーマに作曲された組曲の第二番完成記念コンサート。語りの名手、声優の野沢雅子が三国志の世界を語ります。

◎日時：2016年12月9日（金）18：30開演　18：00開場
◎会場：目黒パーシモンホール　大ホール
◎出演：賈鵬芳、野沢雅子、シンフォニックオーケストラ
◎前売り7000円　当日7500円　全席指定
　チケット取り扱い：ローソンチケット（Lコード：32582）
　自動音声電話予約　0570-084-003
　オペレーター電話予約　0570-000-407

弊誌に好評執筆中「のっほほ〜ん　ぱんだふる　あRーふー」でおなじみの真真さんのソロコンサートです。

◎日時：2016年11月20日（日）
◎会場：ギャラリー平左衛門（千葉県流山市東深井431）
　　　　東武アーバンパークライン「運河」駅より徒歩３分
　ご予約・お問合せ：会場　TEL 047-153-9215（木〜日10時〜16時）
　HP予約　http://www.shinnshinn.com/

日本人二胡演奏家の渡里文恵が、今年も新たな気持ちで臨むリサイタル。

◎日時：2016年12月16日（金）　18：30開場　19：00開演
◎会場：鶴見区民文化センターサルビアホール　３F音楽ホール（100席）
◎出演：渡里文恵（二胡）、張林（揚琴）、釜萢圭子（ピアノ）
◎予定曲目：愛のあいさつ、春到田間、藍花花叙事曲、The Quiet Land of Erin　ほか
◎料金：前売り 4000円　当日 4500円
　チケット取り扱い：(株)和ノ華・東京支社　TEL 03-3992-2024
　　　　　　　　　　　鶴見区民文化センター TEL 045-511-5711