昨年10月29日から、早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点主催の「響きで紡ぐ アジア伝統弦楽器展」が開催されている。演劇博物館は、アジア諸国の楽器を多く所蔵しており、その所蔵品の中から、インド、中国、日本、朝鮮半島を中心とした各国、各地域の弦楽器が27点展示されているが、中には、五代目中村歌右衛門が使用した箏や月琴、1956年初来日した中国訪日京劇代表団から寄贈された京劇楽器などもある。
まず、展示室に入ろうとすると、中国琵琶の音色がかすかに聞こえる。展示品は、ツィター系撥弦楽器、ツィター系打弦楽器、ハープ系撥弦楽器、リュート系擦弦楽器に分けられ、各楽器には、演奏法を含む詳しい解説がつけられている。そして、地域間の文化交流を軸として作成した相関図により、各楽器間の関係性を一望のもとに見渡すことができる。ここに示した相関図は、それを簡略化したものであり、実物には解説がついている。アジア全体に共通して見られる弦楽器を通して、多様性と共通性が交錯するアジア文化に興味をもつきっかけにもなろう。
さらに、展示されている各楽器の実演奏は、タッチパネル式のデバイスが用意されており、中国琵琶、薩摩琵琶、三味線、月琴、箏、伽?琴、東流二弦琴、揚琴、サウンガウ、サラスワティー・ヴィーナー、サロード、シタールの演奏写真と説明を見ることができ、日本にもこんな楽器があったのか、と思われるものや、初めて見るものもあり、順々に見て行くうちに、引き込まれてゆくに違いない。ぜひ見てほしい展示である。
会期:2014年10月29日(水)〜2015年2月4日(水)
10:00〜17:00(火・金は19:00まで)
会場:演劇博物館1階 六世中村歌右衛門記念特別展示室
料金:無料
主催:早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点
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