今号の巻頭特集は、二胡対談企画第二弾です。5,6月号ではチェンミンとウェイウェイ・ウーというスタイリッシュな女性二胡演奏家に登場頂きましたが、今回の男性演奏家お二人のお話からは、いぶし銀のような魅力がお楽しみ頂けると思います。
上海民族楽団の二胡演奏家、ソリストとして活躍されていた曹雪晶さん。また中央音楽学院で15年にわたり教鞭をとり、中央民族楽団で活躍されていた張会斌さん。上海と北京において、それぞれ素晴らしい実績を持ちつつも、その活動のフィールドを日本へと移し、二胡の演奏家、教育者として、実績を積み、今や日本の二胡界に欠かせない存在となったお二人に、近代の中国における二胡の発展から、日本での活動まで、幅広くお話をしていただきました。
【曹 雪晶 (そう・せっしょう)プロフィール】
中国屈指の民族楽器オーケストラ上海民族楽団の二胡演奏家としてソリストを担当。来日後は東京を中心に日本全国でコンサートを行うと同時に、CDやCM音楽の演奏など様々な分野で活躍する。NHK大河ドラマ「秀吉」の劇中音楽をはじめ、野田秀樹主催の演劇「キル」の舞台演奏、市川猿之助のスーパー歌舞伎「カグヤ」「オオクニヌシ」の劇中音楽、国立近代美術館、国際交流基金主催「中国映画祭」等で無声映画の音楽を担当。TBS系テレビ「筑紫哲也NEWS23」のテーマ音楽(坂本龍一作曲)の演奏。NHK「中国語講座」、NHK「スタジオパーク」、NHK国際ラジオ放送で演奏。坂本龍一氏のアルバムに演奏参加、コンサート「二胡によるトゥーランドット」(東京文化会館)、和太鼓集団鬼太鼓座との共演(国内・海外公演)、平安建都1200年記念式典、戦後50周年の集い(政府主催)、「ホセ・カレーラス」来日歓迎晩餐会での演奏、指揮者・小林研一郎氏との共演など出演多数。
【張 会斌(ちょう・かいひん)プロフィール】
中国長春市出身。幼少より二胡とバイオリンを学ぶ。中国最高峰の中国音楽学院、中央音楽学院の両大学にて二胡を専攻し、中央音楽学院、中国音楽学院の両学院の学生、教師で構成される民族楽団でコンサートマスターを務める。卒業後、同大学の助手となり、1985年専任講師、1990年に大学研究室長に就任。以来15年間、中国音楽界で活躍する演奏家を数多く育て、中国国家大学資格を取得。中国国内外において数多くの大舞台に出演。イギリス首相、故大平元首相および指揮者カラヤン氏などの招待コンサートにて二胡を独奏する。来日後、演奏、教育活動を積極的に行い、数多くの門下生を二胡講師に育て上げる。横須賀芸術劇場において、二胡から馬頭琴まで10種類以上の擦弦楽器を弾きこなすという驚異的な演奏を披露する。1999年、テレビ朝日「新・題名のない音楽会」に出演。過去に横浜みなとみらい、文京シビックホール、日暮里サニーホール、東京文化会館、すみだトリフォニーホールなどにてリサイタルコンサートを開催。